こんにちは。 南青山クロンヌ ウォッチコンシェルジュ阿部です。
前回ご紹介したトゥールビヨンに続き、
今回は「永久カレンダー(パーペチュアルカレンダー)」
についてお話ししたいと思います。
この機構もやはり、天才時計師ブレゲによる発明です。
200年以上前の電卓やICなどの影も形もない時代に、
手のひらに収まるほどの大きさの懐中時計の中に
数百年分先のカレンダーの情報を組み込んだ時計を作る
というのは物凄い偉業だと思いませんか。
参考画像:マリーアントワネット N°1160
https://www.breguet.com/
その後パテックフィリップが世界初の永久カレンダー付腕時計として
1927年にNo.97975を発表しました。
もちろん機構が複雑で製作に莫大な時間と手間がかかるため、
到底一般人が購入出来るような代物ではありませんでした。
まさに雲の上の腕時計でした。
参考画像:No.97975
https://www.webchronos.net/
それから約60年後、IWCのクルト・クラウスの画期的な改良から、
1985年ダ・ヴィンチ発表をもって
パーペチュアルカレンダーが大きく変わっていきます。
まずクルト・クラウスの偉業は、
永久カレンダー機構の「簡素化」と「モジュール化」でした。
今までの永久カレンダーはベースムーブメントと一体でした。
時計に永久カレンダーを組み込むため、その都度歯車の位置や
カレンダー操作機構を設計していました。
部品点数も多く、製作には莫大な時間と手間がかかっていたのです。
それを彼は、ベースムーブメントにモジュールとして載せる
「2階建て構造」として設計しました。
部品点数も減ったため、大幅なコストカットと手間が縮小されます。
そして以降、各メーカーがこぞってその方式を取り入れます。
そして現代では永久カレンダーが比較的作りやすく、
また手の届きやすいものとなってきたのです。
参考画像:ダ・ヴィンチ・パーペチュアルカレンダー
https://www.antiegrande-watch.jp/information/detail/1452
今回のご紹介は
ハリーウィンストンの2018年新作
『オーシャン・バイレトログラード・パーペチュアルカレンダー』
Ref.OCEAPC42WW001
ザリウム・グレー文字盤・レザー
自動巻
100m防水
パワーリザーブ72時間
ハリーウィンストンと言えばレトログラード表示が得意なブランドです。
時計の両サイドにそれぞれ曜日と日にち表示をシンメトリーに配置。
複雑機構を搭載しながらも
各表示を左右上下対称にすることで
整然としたデザインに仕立てています。
曜日表示
日付表示
各月と閏年表示は12時位置に。
ムーンフェイズは6時位置に。
文字盤のインデックスや目盛りもレリーフの様な造りになっていて
歴史的な建築物の様な荘厳な印象です。
カレンダーの切り替えはケースサイドのプッシュボタンで
操作可能なため、切り替えは容易です。
時計技術の粋が詰まった新作を是非当店にてご覧くださいませ。
商品詳細はこちらから
ハリーウィンストン – オーシャン バイレトログラード パーペチュアルカレンダー オートマティック
Ref.OCEAPC42WW001